商売の掟

正直な商売

2016年8月25日、たまたまテレビをつけていたら、テレビ東京のカンブリア宮殿が始まり、「熱狂ファンを生む老舗レストラン!嘘をつかない“正直経営術」 という少し興味を惹かれるタイトルに、他の事をしながらでしたが観ておりました。

 

石倉社長は3代目ではあるが、老舗レストランつばめグリルの経営者です。

長年経営していると、従業員の生活を確保するために、どうしても店舗数を増やす方向に行ってしまう事があるが、本質からズレ、経営が難しくなる可能性がある。

効率化も図ったが、納得できるものではなかった。そんな中、老舗を経営する地元の仲間から助言を受ける。

 

最終的に、つばめグリルでは美味しさを追求する上で、本質に手を抜かない正直な商売をする事が、「老舗を生み出す商売の掟」とした。

現在は手を抜かない正直な商売の中に、多くの独創性を持ったというものでした。

 

石倉社長が海外に旅行した時のエピソードで、ある人に同行し農家へ行く、農家の軒先で販売してもらうのだが、市場などの一般価格以上で取引していた。驚いたが、「特別にいいものを分けてもらうわけだから当たり前だろう。」と言われたことがショックだった。と昔の思い出を語り、我々のコーヒーにも共通点があると感じさせられました。
  取扱商品のデザイン
  

最近の野菜はスーパーに行けば生産者表示の商品も当たり前になりました。しかし、生産者表示は安心や安全をイメージさせる事が主であり、必ずしも品質が高いものではありません。

コーヒーも野菜同様、生産者表示のみでは安心・安全のイメーシしかありません。

※最初の頃は高品質であるというイメージもありましたが、そのイメージは薄れつつあります。

 

どんなものでもそうですが、特にコーヒーは作り手がわかっても区画や品種、精製・処理のタイミングなど、さらには精選によってクラスを分けますので非常に品質の差があります。 どんなに優れた農園でも収穫物全てを高品質で出荷することはできません。

また、石倉社長のエピソードのように良いものを直接農園まで買い付けに行こうと思っても、コーヒーは生産地が海外であり、出張費を考えると大量に購入する目的でない限り、コーヒー豆に掛かるコストは莫大となります。

しかし、そこまでして最高のコーヒーを求めるロースターは年々増え、産地では世界中の消費国から集まるマイクロロースターから大手商社までの競売のような状況になっている事もあります。

  【標準品も含め大量に購入し、価格を抑えようとする商社 VS 一番良いものだけに狙いを定め、高価格を付けるロースター】

例えばブラジルまでの旅費が50万円掛かるとします。 1コンテナ(280袋=16,800kg)仕入れた場合、29.76円/kg掛かる事となります。※焙煎をしますと、もっとコストは掛かります。

そして大量に購入できないマイクロロースターの場合はプレミアム価格を吊り上げる事となりますので、コストは大きく跳ね上がります。

この戦いのコストは消費者に回すこととなりますので、あまり良い状況とはいえません。 なぜなら消費者は品質や味以外の金を払う事になるからです。

良いものを安く買うということは非常に難しい事で、最近特に感じます。

弊社セラード珈琲は商社としては中小企業であり、販売量が少量であり、大手商社より安く買うことができません。

しかし、先ほど例に挙げたように競売に参加する様な事は基本的にありません。

誰も踏み入れていないような、知名度の低い産地で生産者と共に成長することを約束し、ゼロから始めることによってコストが吊り上がる事を抑えます。

また、高品質・高価格帯のコーヒーと違い、安いコーヒーを販売する事とは、基本的には資本の一番大きいところが一社のみ生き残る原理で、それに挑戦する者が定期的に現れ、消えていくものだと信じております。

安さは2〜3番目だが、それ以外のサービスがありますと言って頑張る企業もありますが、大資本にマネされたら終わりです。中途半端に安さを追求しても、勝ち目はないのです。

 

つばめグリルのような老舗を考えた場合、独創的な個性ある店づくりというのは安さと違い、消費者にも個性があるように、1社だけが勝つというものではなく、継続(老舗)するチャンスは十分にあると考えます。

 

セラード珈琲は最高品質や珍しいものを求め、生産者を回り、そこに独創性を加えて努力しております。

農園物という安心安全のイメージは副産物のようなものであり、あくまでも品質を求めております。

おかげさまで28年継続しており、徐々にではありますが扱い量も増え続けております。

 

 

我々セラード珈琲の取引先に多くの自家焙煎店がありますが、消費者がお店を選ぶにあたり、幾つかの理由があります。

便利・店の雰囲気(人柄・接客・店舗デザイン)・商品の種類・焙煎鮮度・希少なコーヒー・など・・・。

「安いコーヒーでいいんです。」という消費者もいますが、その消費者は実は上に挙げた理由がある上で「安いコーヒーでいいんです。」と言っているのではないでしょうか。スーパーなどでは得られない何かが?

あまり安いコーヒーという言葉にだけに気を取られ過ぎると間違った方向に進む場合があるので注意が必要です。

 

カフェスタイルの場合、最も重要なものに店の雰囲気(人柄・接客・店舗デザイン)は当然ですが、それ以外に特別な商品も重要です。 特に挽売り中心の場合は特別な商品が求められているのではないでしょうか。

毎日最高のコーヒーを飲みたい消費者もいれば、時々特別なものが飲みたいという潜在意識を持った消費者も多いのではないでしょうか。 

勿論、「焙煎したて」という事で十分特別感で満たされている消費者もいますが、

もう一度、安さではなく特別なコーヒーを考えてみてはいかがでしょう?

その際、私共セラード珈琲がお役に立てれば幸いです。

                                    2016年8月26日 萱間

 
 

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